Runpippi

                

ランニングスピードの要因とトレーニング方法、それに関連する事がら
を載せています。

ランニングスピードの要因は、
  (1)ピッチ[歩数/分]
  (2)接地時の腰部加速度
です。

■ピッチ
ランニングは、ピッチを多くするとスピードが上がり、ピッチを
少なくするとスピードが下がります。

中長距離のランニングでは、この関係が直線的です。
全力疾走は、ピッチに対するスピードの伸びが鈍くなりますが、
レーススピードのピッチに限ると、直線的関係があります。
詳しくは下記の目次から御覧下さい。

■接地時の腰部加速度
支持足が接地している間に腰は後ろから前へと押し出されますが、
このときの加速度はスピードと高い相関があります。
腰の位置は重心の位置を近似するものと見なせます。
そして加速度は力に比例します。
従って、スピードは重心を押し出す力と相関がある、と言えます。
詳しくは下記の目次から御覧下さい。

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画:瀬戸たかむら        
                      




  
   目  次
   
    T.  ピッチとスピード           (※ スピードの決定要因)
    
  U. 腰部の加速度とスピードの関係   (※ スピードの決定要因)
      
エリート達の腰部加速度とランニングフォームの対応  
      
   V. FOOTサイズを伸ばしてスピードアップ   
    
    
  ト ピ ッ ク ス 
      
     一流ランナーのスピード定数、くたびれ係数        
    
      骨盤の回転                           (※どこで左に回るのか、いつ右に回るのか)
    
     
    
     
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T. ピッチとスピード  
 
はじめに

ランニングでは、ピッチとスピードが直線的な関係にあります。

この関係は訓練したランナーでは著しいものがあり、初心者でもかなり高
い関係があります。

これを応用すると、妥当な目標タイムからピッチを逆算することができて、
そのピッチに合わせた音(ピッチ音)を聞きながらトレーニングする と、目
標タイムのペースを掴めます。

またインターバルや反復走においては、セットの後半でピッチ音がラ ン
ナーを励ましてくれます。

 
 



T-1. ピッチとスピードの関係


                       [図1−1]


【エリートランナー】
図1−1はピッチとスピードが直線的な関係にある ことを如実に表しています。

被験者は400mで47秒0台の記録を持つエリート ランナーです。

測定はストップウォッチと当社の加速度計Runpip piで行いました。100mを11秒台〜15秒台で走 って貰い、腰部の加速度波形データからピッチ[歩 /分]を求めたものです。

はこうして求めたピッチと100m走のスピードで す。

緑の直線は予測値です。

一目瞭然、ピッチとスピードは驚くほど高い相関が あります。
【エリートランナー 2】
多くが短距離高校100傑を誇る面々です。
ピッチとスピードの高い相関は特殊なことではあり ません。一般的と言えます。
そうは言っても、最速では傾きが低下する傾向が あります。。。。。


(2016.05.05追加)

  [図1−2]

 同様のことを、選手を46名に増やしてゴリゴリと分析してPDFにしました。  ダウンロード ⇒ スピードのピッチ特性
  (2020.5.9追加)


ピッチとスピードの関係については先人の研究があります。

「各種ランニング・スピードにおけるストライドとピッチについての研究」
山西哲郎先生 群馬大学教育学部紀要 1974年9月17日
http://hdl.handle.net/10087/486
https://gair.media.gunma-u.ac.jp/dspace/bitstream/10087/486/1/area010037.pdf

この論文のグラフからピッチとスピードを読み取って、ピッチ対スピードのグラフを再構成したものが下の図1−4です。
 

  [図1−3]
3名の選手はいずれも、ピッチが220くらいまで は、ピッチとスピードに直線的関係があります。
太い直線が予測値の線です。

この直線的な関係は、スプリンター、中距離ラン ナー、長距離ランナー、ロングジャンパー等、 技種目を問わず成り立っています

一方、220を超える高ピッチ域(全力疾走状態)で はスピードの伸びが鈍化し、細い直線で示したよう な予測線になります。



(2011.01.09追加)




T-2. ピッチ音のトレーニングへの応用

 スマートフォンのアプリにメトロノームがあります。

これを使うと、容易にピッチ音トレーニングができます。

効用を挙げると次のようになります。

 リアルタイムにペースを確認できます。

 インターバル、反復走のセットの後半で、あるいはビルドアップの後半で、ピッチ音の励ましが粘りを育てます。

 集団走で引っ張って貰いながら、設定ペースより低いピッチで走ると、スピード強化トレーニングになります。
   スピードが強化されれば、図1−1の直線は上にシフトしますので、それを促進するものです。

 一人で走れるランナーを養成できます。

 補強トレーニングのペースと時間の管理にも応用できます。





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